ISIZE USER COLUM(133ch)Backnumber 199901201 by J.Taniguchi(jtn@tama.or.jp)

セルをばらしてなるほど納得

パリダカ号の時計の分解では,「なぜなぜ願望」が十分に満たされずやや不完全燃焼気味に終わってしまったのは前回報告通り。でも,モノによってはかなり高いレベルでそれが満たされることもあります。

たとえば,パリダカ号にも搭載されているBMWフラットツインエンジン用のセルユニット。

こいつは,駆動部分の遊星ギヤ部分のグリス切れによるギヤ破損とモーター部分のマグネット剥がれというアキレス腱を持っていて,整備日誌によるとうちのパリダカ号に搭載されていたセルユニットは1997年4月,32,666kmの時に,遊星ギヤ部分が破損寸前と診断を受け新品に交換してます

その後,今年の2月,44,922km時点で,再び遊星ギヤ部分からグリス切れを訴える音がひどくなり分解グリスアップを施しています。8万円近く払った新品パーツが2年弱,走行距離わずか12,000km余りで不具合の徴候が出るのではちょっと納得いかないよなぁ...。

そんなことを考えているところに,同じエンジンを積む友人のBMW R100ロードスターのセルユニットがお亡くなりになったとの報告が...。

セルユニット自体が突然死したとのことですからたぶんもう一つのアキレス腱のマグネット剥がれだろう...1枚だけなら接着剤で貼り付ければ復活させられるって話も聞いたことあるし...。

工具を持参していそいそと出かけ,エンジンからセルユニットを外して分解してみると,期待通りに(笑)みごとにマグネットが剥がれてました。しかも4枚あるうちの4枚とも。

あまりに見事な壊れ方なので,記念撮影してしまったのが今日の画像になりますが,右側に十字の形になるように並べてあるのが剥がれたマグネット。本来は十字の中心にある筒状のモーター部分の内壁に貼りついているべきモノ。 このときは,分解してみた甲斐あり。「なぜなぜ願望」はかなり高いレベルで満たされることとなりました。

それにしても,この故障,BMWフラットエンジントラブルのFAQを作れば間違いなくトップレベルに位置するもの。品質と信頼性を看板にするドイツのオートバイなのですから,何故もっと品質の高いものを採用しないのかというのは依然として謎のまま。セルユニットはエンジンをかけるためには絶対に不可欠なパーツなんですから最低,10年10万キロは余計な心配をせずに過ごせるようにしていただきたいと切に願う次第であります。

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画像の説明:こいつに復活の日は来るのか...

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