トンプ〜たにぐちのツーリングを楽しもう!Vol.37

8月9日号 [ F650CSはやはり街乗りスペシャルだった… ]

昨年秋の東京モーターショーで日本のファンの前に姿を見せたBMWF650CS。
BMWで初めて採用されたドライブベルト。チェーンのように注油する必要もないし走行音も静かだしいいことづくめ。でも街中メインならいっそ前後のプーリーサイズを可変にしてオートマにしてしまっては?
独特の表情を見せるフロントまわりとユーザーのニーズによってさまざまなアレンジが可能なダミータンク部分の収納スペース、そしてBMW初のベルトドライブの採用。

触媒とABSは当然のように装備しつつも、今までのBMWのオートバイにはない世界を醸し出しているこのモデルにちょっと試乗する機会がありましたので今日はそのご報告。

フラット杉並で試乗の手続きを済ませ早速オートバイにまたがってみると、スリムなダミータンク周りと、やや幅を抑えたハンドルのせいか、第一印象はコンパクト。

手元のスイッチ類も、たとえばウィンカースイッチは左手にまとめられているなどきわめてオーソドックスな作りで国産モデルからの乗り換えでも全く違和感はなさそうです。

もちろん電子燃料噴射の採用でセル一発でエンジンが始動しアイドリングも落ち着いたもの。以前乗っていたキック始動のみのKTMの4スト620ccと比べると何とお気楽で平和なことでしょうか。。。

ほとんど暖気することなく青梅街道に出てみても気むずかしい表情を見せることは全くなく、このあたりは最新のBMWの面 目躍如。もちろん信号待ちからのダッシュでちょっとだけ気合いを入れてやれば、フロント周りがフワッと軽くなりミラーの中のクルマたちがアッという間に小さくなってしまうくらいの加速は簡単にこなします。もちろんフラットツインのモデルに比べればすり抜けも楽々。

後続車がいないことを確かめた後、強めのブレーキを当ててやればABSもきっちりと仕事をしてくれました。

「うーむ。コンセプト通り、街乗りには最高だなぁ」と思いつつ15分ほどの試乗を終え、無事出発点のディーラーに戻りメインキーをオフにしてオートバイを返却。しかし…

店内に戻り「どうでした?」と聞かれたんですが...これが「いいオートバイなんだけど…」と言ったきり、言葉が続かなくて。

最新の技術を随所に取り入れつつ、ダミータンク部分の収納についても斬新なアイデアが仕込まれたいいモデルなんだけど、普段からパリダカ号に乗っている自分には何かが足りない。う〜む。

フラットからの帰り道、パリダカ号を操縦しながらつらつらと考えたのは、「F650CSは街中を移動するための足で、ツーリングに出るためのモデルではないんじゃないか」ということ。もちろん、その気になれば特に問題もないんだろうけれど、ラインナップを改めて見直してみると、現行F650には依然としてGSとダカールがちゃんと用意されているんですよね。
ダミータンク部分の収納スペース。予備のヘルメット格納スペースや専用オーディオ装着スペースまでいろいろなニーズに応えてくれます。こういうアイデアは◎。
それならば。。。

街中を移動するための道具ならば…同じくらいの排気量でヨーロッパでも大人気の日本製大型スクーターがあるじゃないかってこと。しかももっと安い価格でね。

もちろんABSは装備されないしオートバイとスクーターは別の乗り物だよ!って指摘もあるかも知れないけれど、日本では未発売ながらノーヘルで乗れるC1というステキな乗り物を出しているBMWには、日本製大型スクーターを超える何かをやはり期待してしまうのですね。

いささか否定的な結論ではあるのですが、古いフラットツインにいまだにこだわっているちょっとガンコな、だからこそ人一倍BMWへの思いのこもったヤツの戯言と思っていただければと。。。(笑)。

それでは、また!
■関連情報
BMW F650CSのHP→http://www.bmw-motorrad.jp/Product/Basic/F650CS/index.html
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